カバーはインテリア、ソファーも部屋の印象も生れ変わります!


 実例128/ソファは一生の付合い『良いソファは良い』/2実例/計2ページのページ1

ハイクオリティのソファをお持ちのお客様からよく質問される内容、『どこが違うのか?』、『はい、中身が違います』と即答してます、

ソファは体の負担を分散させて60kg近い体を常に支えてます、
固さの好みは個人差ありますが、ソフトなだけでは体は傾いたまま、固いだけでは痛くて座っていられません、
体を包み込むように支えてくれる逸品こそ良いソファです、
自動車のバケットシートなら人型につき納得できますが、大半のソファはバケット型にはなっていません、
体重が沈み込み適度な位置で止まる、ソファが体に馴染んでくるのです、
腰や骨格に負担を掛けないようにからだを包み込むように支えています、
スプリングやウエィビングテープなどの緩衝材だけで座りの良い反発性は実現できません、
特にイタリアメーカーはフォームの使い方が絶妙と説明してます。

ただし、ソファの内寸法と身体サイズも沈み込みと因果関係があるので、
新規購入かリカバーリングかで悩まれている場合は、購買候補の家具Shopで最低30分は座って判断をと説明してます、
予算に余裕があるのなら、2台目の逸品もすばらしい体験と思いますが、
多少クオリティを下げる必要があるのなら、
体に馴染んだ逸品ソファの良さも再認識してもらいたいとお話してます。

今回は、
イタリア高級家具メーカーの代表格、B社の2組の実例、見た目かなり疲労してましたが、座りは問題なしの2実例ご紹介、
ともに、カバーリング仕様といわれる、ソファボディにマジックテープでカバーを圧着固定させるタイプです。
(調布市 S様/千代田区 某オフィス)


実例その1/調布市 S様/2.5人掛と1人掛
1/カバー完成After!/2.5人掛け
15年以上ご愛用のB社のソファ。
奥様のご要望で、綿麻の厚平織地を使用、エレガントで大きめなスリットをデザインプラスして完成。(完成写真)
S様カバー実例完成2.5人掛







カバー前Before! /オリジナルカバーの状態
座り心地はこなれて良い感じ、布には長年の疲労が。
こちらのソファ、背クッションが個人的には絶品と思います、中身全く傷んでませんでした。
S様カバー実例完成前2.5人掛
オリッジナルのカバーを外すと、 背座クッション部の中身は健在でしたが本体アームの前部がかなりの型崩れに、久々の大手術こういったケースの場合、
崩れ部分は寄せてまっすぐに見せるしかありません、すなわち、落ちたウレタンを寄せて正方形に見えるような寸法取りに、
適度な布圧でオリジナルに近い形状が維持できる位のサイズに縮小するパターン計算をします、
ここで問題が、肘の型くずれを補正するために、カバー布を張らせる必要があるのですが、
追加デザインのスリット部分もいっしょに張らせる(寸法取りを小さくする)とスリットが開きすぎて台無し、
程よく開かせるためはスリット周辺が少し解放するパターン計算が必要に、
実はこれ、すごく難しい、自然に裾が下へ落ち、上部だけ張っている状態にするのです、
ソファ幅は約240cm位、カバーはすべてつながってますので計算誤差がシワにつながります。

以上のことを念頭に現場で仮縫い作業をさせていただき(下段1人掛写真をご参考に)、
パターンの原型を作り、生地の打ち込み作業、縫製をして完成となります、

肘のあたりまだ少し、ざわついていますが、なんとかクリア、スリットも適度に開いて裾まわりシワ気にならずで完成。(TOPが完成写真)
カバー前Before! !/元カバーを外すと
カバーを外すと本体アームの前部がかなりの型崩れ。
S様カバー実例完成前2.5人掛本体

2/カバー完成After!/1人掛アームチェアー
同じ調布市S様、雑誌で見覚えのある方も多いと思います、同じB社のキャスターが特徴的なソファ、
リビングに上記事の2.5人掛けとセットで配置されてます。

こちらも大きめなスリットをプラスすることに、
スリット付けが問題、肘の外側面が外に向かって張り出して丸みを帯びており、
肘の上部を回る小巾マチ自体が車輪のように球面体の一部となっています、
すなわち、円盤のよう球面状に張り出しいる状態、
かつ、椅子全体が後ろに傾斜、
正面から背後へ向かって全体的に傾斜して、自然に布を下げると、背後方向へ生地が流れて行ってしまします、
すなわち、肘は張らせないと形状が維持できず、きついと、スリットが開きすぎてしまいます、
スリット上の始まりから裾下の余裕を椅子の傾斜を見ながらパターン計算して、こちらもなんとか完成。(完成写真)
S様カバー実例完成1人掛
カバー前Before! /元カバー
オリジナルはスリットなしでキャスターを見せるデザイン。
S様カバー実例完成前1人掛

カバー前Before! /元カバーを外した状態
外すとマジックテープが付く布になっています。 S様カバー実例完成前1人掛本体

カバー前Before! /仮縫い作業中
元カバーを外して、仮縫い専用地で作業中、仮縫いの精度がすべて、
フォームの沈み込みと使用予定の生地伸縮率を念頭に手作業。
S様カバー実例完成前1人掛仮縫い

S様、完成までお時間いただきましてありがとうございました。
実例その1/調布市 S様/2.5人掛と1人掛 終了。 ページ2はこちらから→→。