カバーはインテリア、ソファーも部屋の印象も生れ変わります!


 実例130-2/カバーのデザイン/マジックテープ仕様のカバー張替え

この項で言う張り替えとは、
ソファ本体がもとからマジックテープによる着脱式になっているカバーの交換カバーを製作することです、釘、タッカターなどで張り込まれているソファの張り替えではありません、手前どもは、カバー製作が専業で一般で言う釘、タッカターなどを使った張り替えは行っておりません、先にご説明させていただきます。

カバー仕様のソファを購入された、大半のお客様が勘違いさせれている場合が多いのですが、マジックテープによるカバーは張り替えの簡素化であって、すべて洗濯が安易にできる前提のカバーということではありません、一度外しますと、元の綺麗に張った状態に戻すには、ソファによっては、プロの経験、又はプロのレクチャーが必要となります、

お洗濯後の縮んだカバーを無理矢理かぶせ、型くずれしているソファを拝見することも多く、かぶせにくいため、一方向のみ強く張ってしまい、生地の部分的な引きつれが起こり、生地が破れているか、一歩手前状態で、かつ、その状態での長い使用で本体ウレタンの変形も引き起こし、通常使用による経年劣化にプラスして歪んでしまってるケースもよく見かけます。

お手入れが必要になった時点で、まずは、メーカーヘ問い合わせることが大切です。

手前どもの役割としては、
メーカーなどが旧タイプでカバーを生産中止してしまった場合、輸入メーカーで交換カバーの入手が困難な場合、長い使用で本体の中身ウレタンの老化によりメーカーのオリジナルカバーを新規に交換しても、布遊びやカバーの型くずれが起きそうな状態の場合は、手前どもにご相談ください。

手前どもでは、中身ウレタンの交換はいたしません(交換とは完全な張り替えで、中身ウレタンの張り直しとなり新規製作と同じでコストは高額/メーカーに要望をすべて依頼した場合は完全な張り替えとなります)、お持ちのソファの現状にあわせたカバーサイズに仕上げます、ペットなどに中身をちぎらていない限り、大半、見た目で遜色ない状態まで戻せます。

本体自体に疲労劣化が少なく、新規のカバーをメーカーが生産している場合は、
メーカーのカバーを優先してください。

以上、カバーリング仕様についての全般的なご説明です、
下記の具体的な実例でもう少し詳しくお話させていただきます。


マジックテープ仕様の実例1/C様宅(大田区)


カバー完成After !!

イタリアのA社JapanのL字に配置できるシステムソファ。10年位のご使用、ペットを飼いはじめ、お洗濯でカバーが収縮してしまい、リフォームに合わせて交換カバーのご依頼をいただきました。同サイズの左片アーム、右片アーム各1台と一回り大きめの左片アームの計3台、座面はウレタンで各一連の1枚仕様のセパレート式クッション、背は共通サイズのダウンクッションで背面に倒れ止めの筒状のクッションが付属しています。

マジックテープは裾回り全周、座面上、背正面下、座面クッション裏と使用、完成カバーのセッティングに1台あたり約1時間弱は必要。胆力の勝負で、生地目を均等に張らせながらマジックテープを圧着させて行きます。マジックテープ仕様の場合は、型くずれした本体に対して、型起こしから縫製まで誤差を修正しながら作り上げていくことになるため見落としが許されません、製作には通常のカバーよりお時間いただいております。


カバー前Before!!
/C様宅(大田区)


写真左、
仮縫い写真型紙起こしの作業中、ご依頼いただく生地の伸び率に合わせて、このようにシーチングで仮縫いして原寸法出しをします。完成写真を見ていただくと、各ソファが並んでいても遜色ない状態ですが、型紙上の実寸法ではCM単位の誤差があります、そこを均一に見せる工夫が一番の要所となります。
写真右、
カバーがかなり収縮している状態。カバーは使えない状態となっていましたが、本体は10年以上でも問題なく綺麗な状態、張りもあります、ただし、小さくなったカバーの影響で部分的にマジック圧着によるウレタンの変形があり、均一に見せるために、型紙起こしの時点で調整が必要となりました。


C様、製作にお時間いただきましてありがとうございました。
使用生地/
織地/Scone/シルバーグレー


マジックテープ仕様の実例2/K様宅(荒川区)


カバー完成After!!/K様宅(荒川区)

新宿の輸入家具を中心とした老舗の家具屋さんで替えカバーと共に購入されて約10年位、お手入れによる生地の収縮もあり交換の時期となりました。 下回りで木部を見せるこの頃のポピュラーなデザイン、今見ても落ち着きがあっていいと思います。背面はセパレート式のクッション、本体と座面が一体型のカバー。

カバー完成After!!/K様宅(荒川区)

木枠の上あたりカバー裾にマジックテープの受けがあり、本体と身体が当たる内回りが一体型のデザイン、座面と背回りの隙間にカバーを押し込み、裾のマジックテープで固定する方法になっています。モダン家具のメーカーでよく見る代表的なスタイルですが、このタイプ、経年で座クッション部が劣化してきますと職人泣かせのカバーとなります。



カバー前Before!! /K様宅(荒川区)


写真左は、シーチングによる仮縫い、右は、カバーを外したヌードの状態。

人の体重が掛かるソファの背座内まわりは座り心地を考えてソフトな中身との多層構造のため、経年で崩れやすい箇所となります、その箇所がセパレート式なクッション形状の場合は、採寸時点で個別にクッション自体のサイズ調整が出来、本体と別々に型紙を起せるため問題ないのですが、全体が一体型になっている場合、崩れやすい箇所もゆがみの少ない箇所も一体で同じ方向へ張らすため、凹凸なく均一に見せる工夫が必要となります。今回は、座部分が広い面積で一体型になっているため凹凸の修正が大変でした。


K様、採寸にお時間いただきましてありがとうございました。
使用生地/イタリア製
綿麻混紡地



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